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私は、存在自体が迷惑だ
そんなことは、私が一番よく知っている。

私を殺そうと狙う者も、居るのだ
それも、かなり私を恨んでいる。当然だ

だが、私は凛々の明星の一員として、今は居る。
ならば、迷惑はもう、その時点で掛かっているのだ

許して貰おうとは思わない
私が生涯出来る事は罪を償う事だ


まだ私は死ねないのだ


例え命を狙われようが、私はまだ絶てない
様々なものから終止符を打たねばならない


(そうだ、凛々の明星は――――)


今の私にとってかけがえのない存在なのだ

これからは、きちんと向き合って行こう
私はそれを、胸に深く刻み込んだ。




「アレクセイ、おはよう」
「モルディ「リタって呼んで」

目をぱちくりさせた。

「リタ…ッお!?」
リタは、私に倒れ込んで来た。
顔を覗けば、寝息を立てているようだ。


(!……ありがとう…)


すっかり動く体で、彼女を抱き上げた。
それからゆっくり、寝かせてやった。


(仲間…私の、仲間…)


『…きちんと、やることやってから諦めろ!』
今までの事が、思い出された。
『単純にあんたには死んで欲しくないだけだ』
どうやら私は、ずっと答えの無い道を自ら選んでいたようだ
『あんたはあんたでしょ!?』
解決せず、暗雲ばかりの下を選ぶ一方で
『“仲間”としてまだ、居られないからじゃろ』



ガチャリ、と 扉が開かれる。
何かと思い、視線を向ければあの犬が
「大将、おはようございます」
レイヴンが朝食を持ってきてくれたらしい
「ワフッ」
犬は静かに座り、私を片目で見ている。

「ここに置いておきますね」
それに頷き、試しに犬に手を差し延べてみた。
すると犬は私の手の匂いを嗅ぎ、数回舐めた。

「…ラピード?」
初めて名を呼んでみる。
そう言うとラピードは何度か尻尾を振った。

「俺達が檻に嵌まった時、わんこは避けてたみたい
それでデュークに会ったらしいわ」
「そうなのか…ラピード、ありがとう」
青い毛を流れるように撫でてやれば、軽く懐いてくれたらしい

「……人間とは、感覚が違うんでしょうね」
レイヴンが近くの椅子に座りながらそう言った。
「俺達よりもラピードは何かに早く気付いていたみたいだし」
敵わないわ~、と ラピードをわしゃわしゃして戯れ始めた。


そんな光景に私は微笑み、朝食を頂く事にした。
温かなスープが喉を潤すような感覚に、安堵した。

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