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2009年 クリスマス



「そういえばもうこんな時期ね」
買い出しに来ていたリタは店の壁に赤いサンタが居るのを目に止めた。
(…サンタ、ね…あたしの所には来なかったわね)

幼い頃から両親が居ないリタにとって、サンタは存在しか知らなかった。
(確か、物くれるんだったかしら…便利な人間ね)
寒さに溜息をつき、宿に入る。


部屋割りでフレンと同室になったリタは、その部屋に入る。

「お帰り、何してたんだい?」
リタはその返事に対して探し物、と短く伝えた。
彼は鎧を外しており、水色のズボンに同色の上着だった。
「随分と軽装ね」
「更に上にも着るし、鎧もあるからね」
見慣れないんだろう、とフレンは言った。

リタは暖かい部屋で外を見つめている隣にフレンが来た。
「何?」
「クリスマスだね、サンタさんは来るかな」
にっこりとそう言うフレンにリタは唖然とした。
「あ、あんた…信じてんの?」
「そうだね、今は凄く来てほしいかな」
幼い考えにリタはつい吹き出した。
「サンタなんて居る訳ないじゃない」
「見たことあるのかい?」
「だって、あたしの所には来なかったわ」
最初から信じてないけど、とリタは言った。


しばらくの沈黙が流れた。

「…そういえば、リタの両親は早くに亡くなったんだよね?」
「そうよ、顔もうっすらとしか」
だから信じていないのか、とフレンは思う

「じゃあ、僕がリタのサンタさんになるよ」
「はぁ!?な、何言ってんのよ」
突然そんなことを言い出したフレンにリタは驚いた表情
「あたしは別に何もいら「いらない、なんて言わせないよ」
フレンは真剣な顔つきでそう言った。
そんな表情にリタは言い返せなくなった。

「な、何で…くれようとするのよ」
「僕があげたいからだよ」
更に何も言えなくなった。
「楽しみにしてて」
フレンはにっこりと笑った。


「リタ!」

夕飯を終え、本を読みながら温かい茶を飲んでいたリタにフレンの呼び声が
振り返るとそこには赤い帽子、赤い上下服に白髭を付けたフレンの姿

「Merry Christmas!」
小さな白い袋まで用意したフレンはリタに近寄り、背丈を合わせるために膝をついた。
「はい」
と言って袋から出したのは小さな白い箱
「何これ」
「開けてみて」
言われる間々に開けると、小さな指輪が
「なっ…!?」
思ってもいないクリスマスプレゼントだった。

「も…貰えないわよ!あ、あたしなんかに…」
「リタ」
フレンは指輪をリタの左手の薬指にはめた。
「ダメかな?」
見つめてくるフレンにリタは唇を噛んだ。
「もうっ…!」
リタは恥ずかしかったのか、フレンの胸に顔を埋めた。
フレンはくすっ、と笑ってリタを撫でた。

「サ、サンタって…」


こんなアダルティなのね

ん?何か言った?

べ、別に…!

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