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「レイヴン…」

ユーリの優しい声が前にある。

その声に耳を傾けると唇に感覚を覚えた。

下唇が甘く吸われ、潤いが宿る。

細く目を開けばユーリは唇を離し、小さく笑った。

それからもう一度

ユーリは同じ事を繰り返す。

二人の触れ合う音が静かに流れる。

「レイヴン」

呼ばれ、心地良い接吻から解放された。

ユーリが身を寄せ、レイヴンの心臓魔導器に触れた。

しかしそれは酷く冷たくなっていた。

「……冷てぇ」

「まだ身体自体が冷えてるからかね」


ちゅっ...ちゅ、ぺろ...


「ユーリ」

レイヴンはユーリを撫でた。

「…あ、わりぃ」

綺麗だったから、とユーリは朱い魔導器を撫でた。

「こっち、来てよ」

招くとユーリがもそもそとやって来た。

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