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おかしいのは――――。

それはただ擦れただけの気持ち


「青年は初恋が十四歳年上の人って聞いたわよ~」
「初恋なだけで付き合った事なんかねーよ」
ふて腐れながらユーリはそう言った。
「それより、おっさんだってキャナリって人が好きだったんだろ」
「これがまた初恋なんだなー…」
苦笑するレイヴンは後頭部を掻いた。

「何だよ、お互い初恋で終わってんじゃねーか」
「寂しい者同士じゃないのー」
レイヴンは酒を一気飲みした。
「あ、ちょ、おっさん!」
「大丈夫よ」
ユーリは溜息をついた。
酒の一気飲みをしたレイヴンを軽く睨んだ。
「俺様の体、心配してくれてて嬉しいわ~」
早速酔いが回って来たようだった。

ユーリは自分を最低な奴だと思った。
それでも、愛しているというのか

酒の中に媚薬を入れたのはいつものこと

「はっ…なんか……飲み過ぎた、かなぁ」
ユーリはレイヴンを抱き寄せた。
「一気飲みすっからだ」
「ユー、リ……」

そしてまた、レイヴンもそれを知っていた。
何も言わないユーリに依存していた。

お互い、知りながらも伝えなかった。
だが、それを両想いとは取らない。
ただ、セフレのようなものだと感じた事はある

(媚薬だって知られてても…まだはっきりとは言えねぇよ…)
(ユーリの媚薬に助けられてるなんて…いい加減はっきりすべきよね)

お互いに依存し合っていた。
しかし、明かすことはしなかった。

(オレは…ただのヤり相手なんだ…成り行きでなっただけ…)
(ユーリに俺様は相応しくない…ただの、相手よ…)


オレは、おっさんとは合わない

俺は、青年とは合わない


それは擦れただけの気持ち

そんなに深い関係ではない


お互いに、擦れ違っただけ

それはただの慰め合いにしかならなかった。

しかし、二人は強く求めあった。


いつかその気持ちに気付くために――――。

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