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今は凄く怖い

彼らは私を止めるべく、立ちはだかるイエガーに遠慮しなかっただろう
世界を危機に追い詰めるようなことをしたのだから

もし、後一度だけ
一度だけ許されるならば

彼の顔を見ておきたかった


私は本を閉じた。


シュヴァーンは私を憎んでいるはずだ
心臓魔導器を埋め込んでから彼は変わった

私が言える立場ではなかったが

生き生きとしていた碧の澄んだ目は明かりを無くした。
表情も固くなり、パターン化していた。

あの時は気付かなかった。

彼はある時期、本物の道具になろうとした。
私の酷い暴力が怖くなったのか、どうなのかは分からないが

それでも、ユーリ・ローウェル一行に影響を受け
彼は私の知らぬ内に道具になることをやめた


シュヴァーンを生き埋めにし

新しい名、レイヴンとして


そういう意味でシュヴァーンを本来生き埋めにしたのも私



シュヴァーンも

イエガーも


私の手で殺したのと同然だった。



今更だが
本当に悪い奴だ


「洒落にならんな……」


心臓が、偽の心臓が
憎たらしく思えてきた。

彼らも、そう思ったのだろう



不運なことに私は生き返ってしまった。
いや、逆だろうか 正解なんて分からない




今はデュークが帰って来るのを待つしかない
まともに歩けやしない体で出ても死ぬだけだ

せめて、あの二人に謝るまで、死ぬ訳にはいかないのだ


「…は…っ………」








ぺちり、と 軽く頬を叩かれる感じがした。
目を覚ませばデュークが私を見ていた。

「デュー、ク………」

「よく死ななかったな、流石というべきか」

デュークは私の左手首を力強く握った。

「ぐあ゙ぁっ!!」
みし、と音が鳴った。
骨が悲鳴を上げているようだ

それから彼は手を離した。
だらりと私の左手は垂れた。

「……星喰みは消えた」

痛みに息を荒くしつつも、耳は傾けた。

「ユーリ・ローウェル達の手によってな」

どうやら変わった事はそれだけではないようだ
魔導器は消え、精霊が生まれ...


「お前は世界を変えられると信じたのか?」

傷が

「…ああ……」

えぐられて

「…星喰み復活、か……愚かな事をしたな
本を読んだ事で深く理解したろう?」

彼は振り返って私を見た


「お前は最悪な死人だと」



アレクセイは頷いた。

「…そうだ私は 最悪な、死人だな」

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