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すっかり行き場のなくなった私は空を眺めた。


私は生きてしまっている

「デューク」

私はなぜ生きてしまった

「私は」

甘えられるのならば

「私は」

私は逃げたい

「どうしたら良いのだ」

更に望めるのなら

「私、は……」

死にたい






「う、う…あ゙……」

怖くなった


「あ゙あ゙あ゙あああああ゙あ゙っ!!!!」




「―――――黙れ」




あ。

止まっ、た。






悔しくて

悲しくて


雫が伝った

私の頬から



「ゔ………ぁ…」


心臓が

圧迫されて









次に目を開けたのはあの小さな家の中
今は心臓は動いているが、あの時止められて

恐ろしくて体を丸めた。


もう何も考えたくなくて

世界も、自分も、何もかも



(助けて、くれ……)

体が怖い位震えるんだ



「………」

溜息が聞こえた。







今だから思える

罪を償わなければ、と


償うのは一生を賭ける

その序段すら出来なくて




(…そうか…帝都に行こう……)


結局の所、けじめを付けるにはそこに行くしかない

死刑は免れないが、隠れるより堂々と罰を受け
帝国の手によって裁かれるのが一番かもしれない

大罪人だ、私を生かそうとは誰も思うまい
もし、居たとしても 私は皆の前で死ぬだろう


次の目的は帝都だ





「デューク、最期にお願いがしたい

私を帝都に連れていってくれ」












今、私は牢屋に居る

冷たい床だな

けど、有り難い


どちらにせよ、私は死ぬ


自分勝手に死ぬより

ここに来て死刑と言われ

皆の前で死ぬ方がいい


罪の償い方なんて分からない

でも、償いたくない訳じゃない


レイヴンに私が生きている事を知られても

きっと彼は私に会いに来ないだろう


微妙に、最期に来てくれれば と思ってしまっているが



それにしても、手首の手枷が重い
全く持ち上げられない訳ではないが

若干筋肉が衰えてしまったのだろうと思う


最も謝罪したいのはあの二人もだが

姫様もまた、私が道具と扱って苦しめた一人であって
あの少女、アイフリードは私を深く恨んでいた。

まだまだ、まだ 居る
私は罪を犯しすぎた



嗚呼呼ばれている

目を向ければ鎧の男

懐かしい、格好だ

ゆっくりと立ち上がって

牢屋から出た

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