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(だが、誤解を招いた行為をしたなら私が悪いな、彼女に謝りに行こう…)

私は立ち上がり、彼女の居るテントへと歩んだ。
だが、ふと 思い出された。


『お前がそこで謝罪に行って、嬉しく思うのか?』


彼女は、ヘルメスの娘だ
そしてあのクリティアの娘も

私がヘルメス式を悪に導く使い方をして、彼女らは怒っているだろうか
それよりも、聞いた話 モルディオは姫様とは親友関係にあると聞いた

親友…親友、か――――。

そしてまたローウェル一行は皆が親友なのであろう


私が謝ったところで、彼女らを激怒させる原因になるのではないか
仕方ない、と思って歩む足を止めた。


ならば、一生憎んでくれる方がいい
私がどれだけ酷い事をしたか、日々問われよう



「花、あったのだが…」
少年に花の束を渡せばそれを受け取ってくれた。
「…あの、さっきは…ごめん……」
若干俯く少年に、私は絶句した。
「…なぜ、謝る……」


私が謝りたい。
少年が憧れの視線を当てていたドン・ホワイトホースは、
私が殺ったのだ、私が殺したのだ

「少年、ドンを思い出せ 彼を殺したのは私だ」
そう言うと少年は驚いた視線を当てた。
「…君は私を憎め、一生…憎むべきなのだ」
私は頷き、少年から離れた。




花を依頼したのは匿名を希望していた。
依頼主が居るという場所に行けばそこには

「ハリー!?」
レイヴンがそう言った。
「よ、レイヴン」
その男は私を一瞬だけ見た。

「それよりも花は持って来たか?」
少年は頷き、はい、と束を手渡した。

「あ、ちょっといいか?」
ハリーという青年は少年と小声で話をし始めた。

「――…そうか、ありがとな」
ハリーは花の束の握る力を込めた。

それから、その花の束を私に投げ付けたのだ
慌て、私はそれを落ちぬよう受け取れば相手はなぜか満足したような笑み

「ちょ、ハリー!?」
レイヴンはそんなハリーの行動に驚いていた。
勿論、レイヴンだけではなく 他のメンバーも

「受け取れよ―――知ってるか?その花の意味」
彼は私を睨むような目で喋りかけてきた。



「別名、オトギリソウって言ってな
花言葉は恨み・敵意って意味なんだぜ」


そうなのか


「受け取れよ、お前が自ら詰んだ花をよ」


そうだな




私は彼と向き合った。

「…感謝する」

彼が握っていた力よりも、強く、花束を握った。

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