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『おや、アレクセイさん 何を見ているんですか?』

『出陣した隊の名簿を見ているのだが』

『ほー…そういえばここの隊、失敗したらしいですよ
何でも、平民の奴らが役に立たなかったとかで
帰還者は無事、貴族だけだったみたいですよ』



次々に平民が見捨てられ、死んで行った。
なぜ、こうも貴族と平民は上手く協力出来ないのか

決して全員が全員 仲が悪い訳ではなかったが、騎士団では上司で居られるその心地良さ故に、タチの悪い貴族ばかりが溢れる


ある時、御前試合に抜粋された。
こんなふざけた世の中でも強い奴は居る

希望に応えようと、私は必死に戦い、優勝することが出来た。

そこから更に、本格的にこの世界を変えようと思った。
狭い環境下で、出来る事をして走り回った。


年月は過ぎて、ようやく平民からの兵をまともに入団させることが出来た。
今までは、使える戦力になれば良いと、無理矢理平民を兵にさせていた。

最も、戦力ではなく言い方を変えただけ
それは身替わりという盾なのだろう

しかし、問題はそれだけではなかった。
帝国でも、ギルドや魔物の間でも関係は良好ではなかった。


それでも何とか、私を中心に上手くやって来たのではないかと自画自賛した。
周りからも称賛され、私は今まで以上に頑張ろうと思った。

しかし、私には無いものを私の周りは皆持っていた。
それは本心で話し合える者が居ないということだ
知り合いは居たが、自身が多忙だった為に全く話す事すら出来なかった。

(私は……)

果して為になったのだろうか
私が犠牲になれば死後も心配せずに済むのか

そんなことはない

歯止めをする手立てはもうなかった。
私の中身は朽ちて、溶けていて、腐っていた。


気が付いたら周りは死んでいて、
更に気が付けば今度は私が死のうとしていて

(私なんて救いようがないのに……)

私だけが取り残され、孤独を歩む


浮遊する精神
原形が、ない




「アレクセイ」
「!」

驚いて視線を当てたら闇に塗れたローウェル君が居た。

「下らない事で悩んでたのか?」
「下らない……?」

腸が煮え繰り返る発言だ
私は目を細めた。

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