忍者ブログ
New
(10/18)
(10/18)
(10/18)
Search
[ 31 ] [ 30 ] [ 29 ] [ 28 ] [ 27 ] [ 26 ] [ 25 ] [ 24 ] [ 23 ] [ 22 ] [ 21 ]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「この人達はだぁれ?」
可愛いリボンを付けた少女はレイヴンと私に視線を向けた。
「こっちはユーリの仲間のレイヴンだよ」
「おっ、よく覚えててくれたわな」
レイヴンは笑い、少年を撫でた。
「シュヴァーンって名前の隊長さんだったんだよね?」
「そうねぇ、今は時々しか手伝えてないけど」

あぁ、シュヴァーンは確か ここらの下町をよく巡回していたな、と思い出した。

そう考えを巡らせていれば、服がぐいぐいと引っ張られた。
何かと思って振り向けば、少女が泣きそうな顔をしていた。
ローウェル君やレイヴンを見たが、二人共 他の子供に気を取られているようだった。

「……何だね?」
しゃがみ込み、少女の背丈に合わせた。
「あれ、風船……うぅっ」
指で示された場所を見れば、風船が木に引っ掛かっているようだ
私の身長なら簡単に取れる位置だ
少女に私は頷き、立ち上がろうとした時だった。

「!」

気がついた時にはもう間に合わなかった。
花瓶が、私に勢いよく投げられていた。
考える暇さえなく、少女を直ぐさま抱き寄せて庇うように身を縮めた。

その後、綺麗な音が響いた。


目を開け、少女を解放してやった。
「怪我はないかね…?」
「うん、……え、怪我してるよ!?ねぇ、ユーリ!!」
呼ばれなくても、ローウェル君は私に駆け寄っていた。

「アレクセイ、ちょっと来い!」
手を強引に引かれ、途中で女将に会った。
それから寝かされ、レイヴンも入り込んで来た。
「レイヴン、出来るだけの治療を頼む!ラピード!」
「ワウッ!」


直に花瓶の衝撃を受け、頭から血が流れていた。
何だか意識もよく分からない、視界も気持ち悪い

「ねぇ、治るの!?治るのっ!?」
この声は、あの少女の声か
はっきりしない視界で少女の姿を捉えた。

「…お嬢さん、私は…大丈夫だ……」
薄く笑えば少女は目に涙を溜めた。
「嫌だ!死なないで!やだ!!」
ひし、と 私の腕に力強く抱き着いた。
最後に覚えているのはそこまでだった。








「ん、ぅ……っ………?」
「大将…?目が覚めましたか…?」
視線を向ければレイヴンが心配そうにしていた。
「…あぁ、もう大丈夫…うっ…」
「まだ動かないで下さい、血が足りなくてすぐに貧血起こしますよ」
その言葉に頷き、再び横になった。

拍手[0回]

PR
Comment
Name
Title
Font Color
Mail
URL
Comment
Password

Copyright © Labyrinth All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog 
忍者ブログ [PR]