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「お前は、のうのうと生きるタイプのようだな」
「そりゃどーも、過去を振り返ったって生まれるのは後悔だけだ
今更うだうだ言ったってどうにもならねぇだろ」

「私は…貴様のように簡単な生き方はしていない!!
貴様に私の立場が分かるような口ぶりをするな!」

「テメェ……!」

騒ぎを聞き付けたレイヴンは部屋に入って来た。

「ちょ、ちょっと!…何言い合ってんの!?」
ローウェルは私を見ずに、風のように出て行った。

「大将…?」
私は俯いた間々だった。



彼は私を救おうとしてくれた。
それは少しだけ、伝わった。

だが、私は 許せなかった。
私の半分しか生きていない者に

全てを、馬鹿にされたようで


罪は犯した
だが、全てが全て 悪い人生だとは思わない

「…………ッ…」








静まる辺り、灯はちらちら
市民街での噴水近くに腰を降ろした。

(大人気なかっただろうか、……だが…――――)




ぽん、と肩に手を置かれ 驚いて振り返るとレイヴンが居た。
「急に姿消さないで下さいよ…驚いちゃいました」

「――――――私は、」
「大将、分かってますって
青年もまだ、幼い部分があるんですよ」

肩を下げると、レイヴンは慌て出した。
それを手で制すれば彼は私をじっと見つめている。


「…私は…嫌だったんだ…否定されるのが…」


喜び、怒り、哀しみ、楽しみ

そして 罪


間違ったかもしれない
いや、間違っていたんだ

間違っていたけど
否定されると


「私が存在しない…いや、私は存在したいのだ…」
「大将…」


まだ、生きていたい




「アレクセイ!」

驚いて視線を当てればそこにはローウェル君が
眉を潜め、見つめた。

「……レイヴン、…席外してくんねぇか?」

「…分かった」

あっさりとレイヴンは引き下がり、下町へと向かって行った。
既に夜を迎えていて、市民街は静けさを増した。

しばらくの沈黙も続き、その空気に私は震えた。




「…ごめん、オレ……」
「良いんだ」

言葉を探る青年に向けて

「…良いんだ、十分だ」

私は立ち上がって、青年の頭を撫でた。

「ありがとう、」

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