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「たいしょ~、久しぶり~♪」
レイヴンはアレクセイを見るとすぐさま近寄った。
「お帰り、レイヴ…んんっ」
効果音を付けるとするなら『ちゅ~~~っ』という効果音がそれらしいだろうか
他には挨拶もせず帰って来た途端これだから周りも困る。
見慣れたのか、呆れているのか 凛々の明星の三人と一匹はまたやってる、と反応を示すだけ
「ん、…レイヴン…は、恥ずかしいだろう…」
「えーっ 今更過ぎません?舌入れても拒否らなかったじゃないですかー」
「ばっ、それは…!!」
ユーリは一つ息を吐いて、再び手元を動かした。
それに気付いたジュディスはユーリに近づいた。
「貴方には刺激が強いのかしら?」
「…かもな、あんななげぇキスは見たことねぇな」
「今日は目の置き所に迷うかもしれないわね」
「? そりゃ一体どういう……」
扉が開き、視線をやるとそこにはシュヴァーンが
「シュヴァーン・オルトレイン 今戻りました」
それからアレクセイに近寄って手の甲にキスを落とした。
「あ、あぁ…シュヴァーン、お帰…んぅッ」
近くに居るレイヴンは怒るどころか、二人のキスに幸せそうな顔をしている。
「は……どうしちまったんだ、あの二人は」
ユーリが驚くのも無理はない、二連続で、しかも目の前でディープキスだ
「だから言ったでしょ、目の置き所に迷うって」
ようやく離されたアレクセイは呼吸をいくらか繰り返してシュヴァーンを見た。
「ば、ばかものっ…帰ってきて、早々キスなんて……!」
「まぁまぁ大将、シュヴァーンは遠征しに行ってたんだしさ」
「ではレイヴン、おまえはする必要、なかったはずだぞ…!」
シュヴァーンは鎧を外し、軽装になって近くの椅子に座った。
土産物の箱を開き、皿にクッキーを数枚転がし、酒を注いだ。
「どうぞ、アレクセイ様」
「…仕方ないから、許してやるっ」
ユーリは手入れしていた剣を鞘に仕舞い、定位置に置いた。
近くにはカロルがオルゴールやら、ちょっとした壊れ物が周りに置かれていた。
「カロル先生は、どう思う?」
「……別に…良いんじゃない?あの人が居るから二人は嬉しそうにしてるんじゃないかなって思うし…」
そんな言葉を聞いて、ユーリは一つネジを拾った。
手元で転がし、再び床に転がして口を開いた。
「…言うようになったなぁ、先生」
「…何度も見せ付けられちゃ慣れるって」
苦笑しながらカロルは先程ユーリが弄っていたネジを拾った。
「あれ、……ちょっと道具足りないや 買い出し行ってくる」
道具袋をあさったカロルは立ち上がり、ユーリを見た。
「せっかくだから、ユーリとジュディス…ラピードも来ない?最近新しい店も出来たし、行きたいんだ」
「そうね、行こうかしら
久々に出歩きたいところだったの」
カロルの言葉にジュディスは賛成し、ユーリやラピードも立ち上がって行ってしまった。

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