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「あんた…どこから入って来たのよ」
あまり見たくない人物が軽いノックをして入って来た
白いフードコートがひらりと翻り、その影響で彼の顔がよく映る
「表からだ、それよりも手紙を預かって来た」
アレクセイを怪訝な表情でリタは見た。
「…あんたみたいな奴がのこのこ出歩いていいの?」
「君に…手紙だ、即座に読んで欲しいとのことだ」
サッ、と渡し リタは面倒くさそうにそれを開いて読んだ。
「研究者って…あんたのこと?」
「? 派遣する、だとは言われたが」
「……騎士団も、あんたを追放したクセに勝手なのね」
(…ま、使える人材といえば使えるけど
フレンが手放したくないとか、天然殿下様が気に入ってたりとかかしら)
ちらりとアレクセイを見るとなぜか沈んだような表情をしていた。
その様子にリタは驚き、顔を見なかったことにした。
(な、によ…あの表情……今更…)

手紙には知識として使えるアレクセイをリタに派遣するとのことだった。
以前から有能な人物をこちらに寄越すと聞いていたが、アレクセイだとは思わない。
確かにリタ以上の知識を越える者はアレクセイしか居なかったが

「……あたしはあんたの“知識”しか見ないから
あんたがどうであれ、あたしは知らない」
「…構わん、ところで予定は」
「……朝十時から一時よ、どちらも午前だから覚悟しときなさいよ」
アレクセイは頷いた。
「では、私が派遣で居る間は宜しく頼む」
律義に礼をして、出て行ってしまった。
「…何だか気持ち悪いわね」
軽く溜息をついてリタは先程から続けていた作業を開始した



「リタ・モルディオ」
「来たわね、早速取り掛かるわよ」
分かった、とアレクセイは近寄って来た。
約35cmの差もある相手を見ればリタは眉を潜めた。
「…何か?」
「別に、それよりもこっちに来て」
コツコツと中指の第二関節で黒板を鳴らす。
「これ、ここまで行ってるんだけど……」
アレクセイは黒板を覗き込んだ。

それが夜中の一時まで続いた。
「…ダメ、納得行かないわ……」
リタは頭が働かないと分かっていても無理矢理に動かしていた。
アレクセイに弱い所を見られるのが嫌だから、かもしれない
「リタ・モルディオ」
「何よ……」
苛々して睨むとアレクセイは苦笑して、ホットミルクティーを差し出した。
「あんたが入れたのなんて飲める訳ないじゃない」
「……そうか、…そうだな」
水の流れる音が、跳ねる音がした。

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