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あれから数日間、精霊について詳しく話して
これからどうあるべきとか、話して実験して

何だか、少しだけだけど
こいつ 本当はいい人なんじゃないかって気がした
でも、あたし 完全には許せてない

「……ちょっと…あんた」
そう声をかけるとアレクセイは短く応答した。
「熱でもあるの?やけに顔赤いわよ」
「…軽い風邪だ、そんなに気にかけることは…」
手に持っていた試験管が割れた。
「っ、すまない……」
リタはアレクセイの裾を強引に引っ張った。
それから乱暴にリタのベッドへと寝かせた。
「黙って寝なさいよ、バカっ」


そう、こいつの知識が必要なだけ
だから体調が悪くなったってどうでもいいんだけど

数日前まではそう思ってた
でも、段々優しさを受け入れてしまって


何であんなに豹変する程になったのか
不思議でたまらなかった、なぜ…?
一人で、辛い重荷を背負ったりしたのだろうか

性格が捩曲がる程、辛かったのだろうか
あの時代に生きた訳ではないから
全くもって知らないが…どうなのだろう


「ッて、あんた…何してんのよ!?」
分厚い本を赤い顔で読んでいた。
「風邪ごときに休む訳には行かぬだろう」
「…迷惑よ、支障が出るから大人しく寝てちょうだい」
本を掻っ攫い、冷えたタオルを額に押し付けた。
「…すまん……」
やけにその言葉は弱く聞こえた。





「…ゔ……」
頭がガンガンする。
非常な痛さで訴えてくる。
アレクセイは上半身を起こした。

そういえば、と思ってリタを捜せば床で倒れ込むようにして寝ていた。
リタを抱え、ベッドに寝かせてやった。
(申し訳ないことをしたな……)
ふらふらする足取りでアレクセイは出て行った。




(……あ、れ………?)
いつの間にか寝ていたようだ
外もまだ真っ暗で真夜中のようだ
あいつが寝ていた自分のベッドは自分が寝ていた。
(あいつ、どこ行ったのよ…!)
すぐに起き上がり、外へ出た。


アスピオ中を捜し回ると、アレクセイは一目につかぬ所で寝ていた。
(……熱出してんのに…こんなんじゃ悪化させるだけじゃない…)


「…、…リタ・モルデ…げほっ、」
「洒落にならないわよ、さっさと来なさい」
リタの家まで強引に連れていき、寝かせてやった。
「今はあんたの事が先決、早く良くしなさいよ」
そう言ったリタ自身も寝不足で体調を悪くしていた。

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