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アレクセイは静かにその場から離れ、カロルやユーリ達に近付いた。
「いいのかよ?」
準備をしている二人に頷いた。
「まだ、様子が分からない以上…何もしようがない」
そうか、とユーリ短く答えた。
少年の視線が妙に突き刺さって来るのを感じた。

テントはユーリ、カロル、アレクセイとジュディス、シュヴァーンに別れた。
正直なところ、アレクセイは心配でたまらなかった。
しかしシュヴァーンの事を考えれば私を見るだけでも辛いかもしれない

憂さ晴らしに外で星なんか眺めるが全く効果ない
またその苛立ちで剣を手にし、歩き始めた。


ストレスが溜まるもんだから魔物を意味なく殺した
嗚呼、またやってしまった これだから私は――――。

剣から滴る朱く染まった血に私は微笑んだ。
妙に鼻に突き刺さる鉄の臭いに暖かい溜息

嫌気が段々さしてきて、剣を振り払ったその時だった。


「ガウッ!!」

気付いた時には遅かった。
腕を力強く噛まれ、アレクセイは顔を歪めた。

「…目障りだ」


ごとり...

首と体が別れて跳ねた。





「よう」
外に居たユーリがアレクセイを待っていたようだ
「何をしている?」
「あんたが余計なことしないかと思ってな」

まだ、警戒されている か
当然ではあるのだが

「余計な事、か…そうかもしれないな」
「あんたなぁ……」
ユーリはアレクセイに寄り、左腕を取った。
「血だらけじゃねぇか」
「…気付かなかった」
漆黒に染まった彼の顔は私を睨んでいた。
「……問題ない」
アレクセイはユーリの腕を振り払い、静かにテントへ入った。


「おっさんもう元気になっちゃったわー!」
「リタが居たらうざがられてるよ」
シュヴァーンとカロルは二人楽しく笑っていた。


(…本当は嫌なんじゃないか?)



いつも

いつも


私と居る時はやけに緊張して

目が合う事なんて


ない



(自業自得か)


呆れた



私が





「……首領、」

楽しく笑い終えた後に話をかけると明らかに嫌そうな顔になった。

「…少し、ギルドの仕事を休ませて欲しい」
「……いいけど、別に」


『居ても居なくても
ユーリやジュディス、ラピードで十分だったし』


「……失礼する」
フードを被り、アレクセイはテントから離れた。




今は

私が居るべきじゃない


仕方がないことだ


また魔物を一閃した。

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