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毎回毎回、彼はメンバーの知らない所で私を連れて行って私を求める
求めるとは言っても、私を抱擁するだけなのだが

尋ねても返事はなく、気が済むと私を見て 少し照れながら去って行く
私はされるがままにされていた

逆に不思議で、内心驚いて
更にはそんな感情が私を忘れて受け入れてしまう


「あ、アレクセイ」
「待て、ローウェル君」

再び抱擁される前に手で制する。
眉を潜めた彼に私は苦笑した。

「なぜいつも、こんなことを?」
そう尋ねると、ローウェル君は頬を掻いた。
「……何でだろうな、落ち着きたいのかもしれねぇ」
「私を抱擁して落ち着くのか?」

(かつては君と敵対していたというのに……)

そう考えて私は心が暗くなる感じがした。
そんな思考を巡らせているうちに抱き寄せられてしまった。

あまりに急だったため、私は引きはがそうとした。
「オレは守りたいんだよ…傷の舐め合いだろうが何だろうが…
あんただって人間だ、ロボットじゃねぇ
…オレは過去のあんたを知らないし、知れない
それでもオレは、あんたを守りたい」

なぜ、このような青年が落ちぶれた中年を助けようとするのか

「…男だろうが女だろうが困る姿は見たくない
あんた、夜中にいつも外出て行くのとか…させたくない」
私は無言の間々だった。
君よりも罪の傷が深い私を助ける必要性などないはずなのに

「ほら、泣くなって」
「なっ」
背伸びした彼に舌で拭われ、私は目を丸くした。
「…しょっぺぇな」
「な、な……ば、馬鹿者!」

今まで真面目だったというのに何と言うことだろう
恥ずかしくて彼の顔も見られない

「…アレクセイ、ちょっといいか」
言われる間々に連れて行かれ、私は焦った。
「こんな所で何をするっ、あんまり行き過ぎると、危険だぞ…!」
小川が流れていて、彼は頷いた。
それから私を近くの大木を背にした。
「な、何だ……」
妙に細めな彼の目に、私は動揺した。
それからがっちりと顎を固定され、何かを喋ろうとした時にそれは拒否された。

(な、に………!?)
されるがままだった。
舌が入って来て口内を掻き回される。

正直、性について疎かった。
幼少時代は勉学に明け暮れ、流れるように騎士団に入った。
それから騎士団で必死に体を鍛えた。

経緯はともかく、性にそこまで深い興味はなかったのだ
無論、女性とも本格的なお付き合いはなかった。

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