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夜のハルルは綺麗だった。
桜の根本付近にはライトが照らされており、花見をしている人が居た。

時代は変わって来ているのをしみじみ感じる。
自分が牢に居る間にも外の世界は進歩している。
アレクセイはその現実に不思議と怖くなかった。


「宿取って来ます」
アレクセイは頷いて、宿を少しばかり行った噴水の近くのベンチに座った。
舞う桜は無駄に綺麗で、出来れば無関係でありたかった。
しかし舞う花は知らず、アレクセイを歓迎する。

『貴方は生きていていいのよ』

と、言われているようで
飛んだ思い違いだと溜息一つ


「大将」
戻って来たレイヴンにアレクセイは視線を向けた。
「…大分、顔が疲れてますよ」
「……そんなことは、ない…」
とは言っても、レイヴンは疲れている事を知っていた。

「俺を、信用して下さい……もう、隠さないで…」
震えた声でレイヴンはそう言った。
「昔の貴方に、戻って欲しい……ただ、それだけです」
「……私は、お前を殺そうとしたのだぞ…」
レイヴンは首を左右に振った。
「あれは俺の知る大将ではない…」

今は何もないアレクセイ
昔を望むレイヴン

「以前とは違う、私……」
見上げればハルルの木、桜が舞う。

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