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「考えてみるとしよう…シュヴァーン、感謝する」
「あの、俺は…!」
アレクセイはレイヴンに微笑んだ。
「昔の私を望むなら、呼んでも良いだろう?」
レイヴンは目を丸くしたが、つられて微笑んだ。


ハルルで一泊した二人は、エフミドの丘へと向かう。
エフミドの丘は以前と大して変わっていないようだった。

「ここも、徐々に変わってはいるんですがね」
「行き届かんのか」
アレクセイは坂を上り、やがて海の見える崖へと歩いた。
隣にレイヴンが来て、少し淋しそうに私を見た。
「…シュヴァーン、私は……」
一息ついて
「世界を、変えられると、思っていた…」

レイヴンは何も言わなかった。
ただ、アレクセイを見るだけ

「今更、何を言っているんだと…それは分かっている」
潤う朱い瞳
「私は…平等な世界に、したかった……」
震える唇


「大将」

レイヴンが彼を引き戻すように呼び掛けた。

「もう後悔しても、過ぎた事なんですよ
最初、本当に貴方は世界を変える、と…言っていた
それは俺も賛成でしたし、異論はないです
…貴方が変わり、俺の知る貴方でなくなったと知った時
何度も殺して欲しかった……正常な心臓も、作り物…
けど、今は死にたくないって、思うんですよ
人魔戦争で死んだはずの俺でしたけど…だから、感謝します
…俺、本当に…ショックだったんですよ…大将が、道を踏み外し始めた時
変わった貴方を、幾度も止めて…それから段々止められなくて……」

「シュヴァーン……」


嗚呼、私は歪んでいた。
狂っていたのだ。

「すまない…」

謝る事しか、出来なかった。


落ち着いたところで、二人は再び歩き始めた。
目指すはノール港

街道を歩き、いくつもの魔物と出会い、戦った。

「…やはり、鈍っているみたいだな」
アレクセイは軽く溜息をついた。
「それでよく鈍ってるなんて言いますね」
そんな様子レイヴンは苦笑した。
「どう見たって鈍っているだろう?」
険しい顔のアレクセイにレイヴンは軽く溜息をついた。

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